脚絆とは、足を保護して動きやすくするための服装品です。
ズボンのすその広がりを押さえることで活動しやすくなるほか、脛を保護することで脚のうっ血を防ぎ、血液の循環を助けてくれます。
日本では平安時代から使われていましたが、「脚絆」という名前で広まったのは江戸時代以降で、飛脚や旅の流れ者がすねに巻いている姿がよく見られました。
また明治以降は、足の保護や異物混入を防ぐために軍隊でも採用されていましたが、現在は長靴の登場により廃れています。
現在では、林業や農業など、仕事の現場などで役立つアイテムとして使われています。
アウトドアアクティビティ・スポーツなどでも足の保護として使用されており、幅広い世代から愛され続けているアイテムです。
脚絆をつける主な目的は、活動時に脛を保護し、草木などの障害物から足を守ることです。
山や草原など舗装されていない道を歩いても、葉っぱや木の枝で脛を怪我するリスクを減らせます。
脚絆は足首やふくらはぎを締め付けることで、血流の滞りを防ぐことも目的です。これにより、足のむくみや疲れを軽減し、長時間の活動や作業が快適に行えます。
他にも、作業中にズボンのすそや靴紐が引っかかるのを防止するためにも利用されています。
山での作業や建築現場、サイクリング、登山、ウィンタースポーツなど、さまざまなシーンで活躍しています。
脚絆の左右を確かめ、間違えないように準備します。「こはぜ」と呼ばれる金具が脚絆の裏から見て外側にあるのが目印です。
次に、地下足袋や草鞋掛け足袋を履きます。地下足袋を履く場合は、長いタイプではなく短いタイプを履きましょう。
準備ができたら、脚絆を脛の周りに巻き、こはぜを下から上に向かって順番にとめていきます。左右の脚絆を向きに気を付けて巻きましょう。
脚絆の上部にあいている穴に体の内側にある短いヒモを通し、脚の外側にある長いヒモを膝の下で2〜3周巻き付けます。
最後に、左右のヒモをコマ結びして完成です。ヒモの長さが足りない場合は、途中で折り曲げて長さを調整しましょう。
ここからは、脚絆をつけるメリットとして、
を紹介します。
以下、それぞれ具体的に解説します。
脚絆の最大のメリットは、足を保護できる点です。
足元をしっかり防護することで、何かに引っ掛けたりぶつかったりして裂傷を負うリスクを減らせます。
例えば、林業や造園業に携わる人は、草刈り機やチェーンソーが足に当たってケガをするのを防ぐことが可能です。
他にも、建築現場や山林での作業でも、枝葉や石、木くずなどがズボンや靴の中に入るのを防止してくれるため、安全に作業できます。
また中には、サイクリングの際にズボンの裾が巻き込まれないように、脚絆を付ける人もいます。
走行中の巻き込みを防ぐことで、事故のリスクを減らすことが可能です。
脚絆を着用することによるメリットには、靴擦れを防げる点も挙げられます。
脚絆は足首部分も締め上げるため、靴の入り口が足首よりも大きくて擦れていた人でも、ぴったりフィットさせることが可能です。
くつと肌の摩擦がなくなるので、靴擦れを防止できます。
靴擦れの原因のひとつである石などの異物の侵入を防げる点も嬉しいポイントです。
足を保護して快適な着用感を得られるだけでなく、靴擦れからくる不快な痛みやかぶれを防ぐ強力な味方となるでしょう。
脚絆は、足首やふくらはぎを保温できる点もメリットです。寒さからくる筋肉のこりやけがを予防し、血行を促進する役割を果たします。
また、靴の中に雪が入り込むのを防げる点も魅力です。雪が降る寒冷な環境でも、足元の快適性を維持できます。
雪山での歩行やウィンタースポーツ、アウトドアでのキャンプやランニングなど、寒冷環境でのアクティビティにおいても、優れた効果を発揮するでしょう。