複合繊維とは、『成分の異なる2種類の原液を2つに区切られた紡糸口金から同時に紡糸し、1本の繊維としたもの』を指します。
熱処理の際に、異なる熱収縮率の差を生かし、加工糸などと比べて伸縮性に優れた糸を紡糸します。
複合繊維という指定用語はなく、繊維に含まれるポリマー名を省略し、複合繊維と表示することができます。
混紡糸や合撚糸のような、異なる繊維の糸を組み合わせて作る素材は、複合繊維の定義には該当しません。
合成繊維とは、繊維の種類の一つです。「合成高分子化合物から造った繊維」を意味し、ナイロンやポリエステルといった化学繊維の一種と言えます。
一方で複合繊維は、「コンジュゲート糸」とも言われるため、別の繊維という位置付けです。
複合繊維には、
伸縮性の高さ 薄くて丈夫な生地に仕上がる
といった特徴があります。
複合繊維は異なる構造のポリマーを熱加工することで、クリンプを発現させ、ウールなどの天然繊維に近い弾力のある繊維を紡糸します。
加工糸と比べると伸縮性が優れているため、スポーツウェアやアウトドア用品など、ハードな用途の衣料資材に用いられます。
特殊な加工技術により生産コストがかかるものの、加工糸では出せない伸縮性(ストレッチ性)を実現するなど、様々なメリットがあります。
紡糸の段階できちんと加工がされているため、複合繊維なら目付が軽くて薄い生地でも、丈夫で破れにくい仕上がりになります。
また、複合繊維の安定した分子構造によって染色性(色の染めやすさ)や生地の柔らかい風合いを実現するなど、品質を高めるメリットがあります。
薄手でも高耐久な生地なので、ユニフォームなどの毎日着用する衣類と相性がいいでしょう。
こちらはJIS規格適合のストレッチ生地を使った作業着パンツです。
複合繊維を使うことで伸長率20%のストレッチ性を備えています。タイト目なサイズ感ですが、履き心地がよく動きやすいです。
ツインループやポケットで収納力も抜群。脇ゴム仕様なので着替えが楽なのもポイント。
こちらはレディースのノーカラージャケットです。
生地にストレッチ性を持たせることで、長時間着用しても疲れにくい事務服となります。
また、伸長率の高い生地はシルエットをスッキリ見せるので、お客様と対応する部署や受付などの職種で取り入れたい制服です。