制電素材とは、帯電を防止する機能にすぐれた繊維のこと。冬場など、静電気によって埃がついたり、衣服などが体にまとわりつくのを低減する効果があるものを制電素材や帯電防止素材と呼びます。
静電気は摩擦や異なる物質を触ったことで起こる摩擦熱で電子の移動が発生し、電荷バランスが崩れて起こります。静電気は天然繊維では起こりにくいため、合成繊維のような静電気の発生しやすい繊維に帯電防止の樹脂をコーティングしたり、織布のときに電導性繊維を混入することで、静電素材ができあがります。親水性のポリマーを使った制電素材は寝装具やコート、スーツの裏地、インナーといったものに使用されています。
石油化学工場・医薬品工場や精密電子機械工業の現場などでは、静電気が火災の原因となることもありうるので、制電素材の中でもより高い制電性のある素材を使用した作業服が使用されています。