法被とは江戸時代の職人が来ていた正装で、今ではお祭りなどの行事に着用されることが多い伝統的な衣装です。
法被は腰丈や膝丈の羽織が一般的で、胸紐もないシンプルなつくりなのが特徴的。祭り以外だと、消防団員の制服として今でも着用されています。これは町火消という江戸時代からの伝統的な衣装なんですね。
法被は元々当て字で、半被とも表記されます。法被という名前の由来は以下の通りとなっています。
「はっぴ」という語は、古代、束帯を着る際に袍(ほう)の下に着用した袖のない胴衣「半臂」(はんぴ)に由来するとされる。「法被」の字は、高僧が座る椅子の背もたれに掛ける布のことを「法被」(はっぴ)というが、衣服の法被と全く関連がないことから、単なる宛て字と見られている。
出典:Wikipedia
法被によく用いられる生地は、聞き馴染みのないものが多いですが、オーダーメイドによく使われるものばかりです。中でも人気の高い生地は以下の通り。
シャークスキンは厚みのある生地で、コストと耐久性のバランスがいいので最も人気があります。まさに定番素材と言えますね。
カツラギはさらに生地が厚手で丈夫なので作業着やエプロンなどにも使われる生地です。天竺木綿は逆に薄手の素材でコストも低価格なため、大量に生産する場合に特注制作をされることが多いです。
お祭りでは欠かせない存在となった法被は、現代の用途は主にイベント時に盛り上げたり一体感を演出する際に使われます。
法被に企業のロゴやイベントのプリントをすることで注目を集めたり、着用者や周囲の雰囲気を盛り上げたりできるので、特別な行事の際にはこれからも着用され続けるでしょう。
そもそもなぜ法被は伝統的な正装であったにも関わらず、祭りで着用されるようになったのでしょうか。
それは昭和45年の大阪万博が最初のきっかけになったと言われています。高度経済成長期の日本は全国各地でお祭り行事を開催しており、大阪万博で法被が用いられてからは瞬時に「祭り=法被」のイメージに変わりました。
つまり長い歴史で考えると、お祭りに法被が用いられるようになったのはここ50年くらいの話なんですね。
法被と混同されがちなのが半纏(はんてん)です。なんだか似たようなイメージをお持ちの人も多いと思うので、違いを解説します。
半纏は法被を真似て作られたもので、江戸時代の身分制度を守るために、安価で簡素な作りで生産されたのが起源となっています。
具体的な違いは襟を返さずに作られているかどうかです。つまり、現代の祭りなどで着用されているような法被ですが、その多くは半纏なんですね。
元々は武家が家紋を染め抜いて着用しており、正装として着用されていたのが法被で、当時の法令を守りつつ、庶民でも着用できるようにと法被を模して簡易的に作られたのが半纏なんです。簡単に脱ぎ着できることから、現代では半纏の方が一般的です。
こちらは祭りで着用できる商品です。鮮やかなプリントで派手な仕上がりとなっています。シワになりにくく、アイロンで簡単に生地を伸ばせるので、行事ごとに綺麗な状態で着用できます。
こちらは定番のシャークスキン生地です。風合いも良く落ち着いた色合いでおしゃれに見えますね。プリントデザインが綺麗に染まる生地なので高級感もあります。