透湿性とは、水滴になる前の蒸気状態の水分を生地の外に逃がす性質のことです。この透湿性に優れた商品は汗で蒸れにくいというメリットがあります。
例えばレインコートを着用している際に、雨を弾いてくれるけど内側は汗の蒸気で蒸れてしまう、と言う経験はないでしょうか?あれは透湿性が低いために、汗の蒸気がこもってびしょびしょになってしまうからなんです。
雨を弾くには撥水性や耐水圧といった防水機能が必要ですが、それに加えて透湿性も高いと、外の水分を弾きながら、蒸れずに快適な着心地を実現できるのです。
透湿性は透湿度という数値によって測ることができます。生地1㎡あたりで24時間もの間に何グラムの水分を外に出したかという数値です。
例えば透湿度が10,000g/㎡/24hなら、24時間で1平方メートルあたり10,000gの水分を外に出せるということになります。
衣類など人が身につける商品で透湿性が求められる場合、人がどれくらい汗をかくのか、という指標が重要になってきます。
つまり透湿性に優れた商品の目安として、5,000〜8,000g/㎡あればそれなりに効果を体感できます。より高機能な商品になると、10,000〜20,000g/㎡以上のものもありますが、用途によってそこまで必要か判断すべきです。
ただし繰り返し洗濯すると透湿性は劣化していくので、効果がずっと続くわけではありません。
アウトドアで利用するレインウェアや、汗を乾かして蒸気を逃がす空調服、寝汗をかいても寝苦しくない布団などの寝具など、様々な用途で透湿性の効果が発揮されます。
用途別にどういう効果が得られるのか、詳しく紹介していきます。
レインウェアは雨をしのぐ際に着用される衣類です。一般的なレインコートから、登山やスキーなどのアウトドアで利用される本格的な商品まで幅広く開発されています。
アウトドアでの利用であれば、長時間の着用と、激しい降雨量にも耐えうる性能が必要であり、快適に着用し続けるためにも透湿性が欠かせません。
レインウェアの中でも特に優れた透湿性を誇るのが、ゴアテックスと呼ばれる素材を使った商品です。他の主要メーカーの性能と比較してみると、ゴアテックス素材の機能性がよく分かります。
<ゴアテックス>
<ドライマスターX>
<ベルグテックEX>
透湿防水素材はフィルム状になっていて、このフィルム状に1c㎡あたり数億個の微細な穴が空いているので、分子の小さな蒸気だけを通すことができます。
耐水圧・透湿性ともにゴアテックスの数値が高く、防水効果が最も高いと分かりますね。ゴアテックスの素材は2〜3レイヤーの薄い層によって作られ、多数の微細な穴と厳しい基準によって高機能なレインウェアが実現されています。
寝ている間は多くの汗をかくため、布団やシーツには透湿性が重要になります。
一般的に人は寝ている間に200〜600ml、多い人だと1リットルの汗をかくと言われているので、布団に発生した蒸気はしっかりと発散させないと寝苦しいですし、寝冷えの原因にもなります。
アクリル素材などの合成繊維は肌触りがいいので布団にもよく使われますが、透湿性が低いので汗をかくと布団の中にこもってしまい、蒸れの原因にも。できれば羽毛布団を下に敷いて、その上から合成繊維の毛布をかけるのが理想的です。
作業現場のユニフォームとしても透湿性の高さは重要です。激しい運動によって汗をかいても蒸気を外に逃がしてくれます。
また、作業着によっては結露防止機能がついた作業着もあります。これは寒い冬でも結露を防止してくれるため、水蒸気の水滴化を防いでドライな状態を維持できます。
「ジーベック XE98006 空調服 迷彩半袖ブルゾン」は透湿性が高い空調服です。服に取り付けた空調ファンによって送風され、汗もすぐに乾くので蒸れにくいです。
「ジーベック 592 防水防寒ブルゾン」は透湿性に優れた防寒ウェアです。ウェア内の湿気を外に逃がしてくれるので、ドライな着心地をキープしてくれる商品となっています。