作務衣とは、僧侶が修行の一貫として掃除などの労務(=作務)を行う際に着ていた作業着のことです。
現在ではお坊さんだけでなく、部屋着や制服、作業着として着用されるケースがあります。独特なデザインなので和の雰囲気や世界観を演出する際に役立つでしょう。
明確には判明していませんが、昭和40年代に永平寺という曹洞宗のお寺で着用されたのが作務衣の起源とされています。
なお、原型は着物の袖を納めるために袖が太く作られており、形状や生地の素材など、現代に至るまでに着用されやすいように変化を遂げています。
作務衣と混同されがちな「甚平」とは、大きく形状が異なります。
作務衣は長袖・長ズボンに対し、甚平は半袖・半ズボンといった違いがあります。
甚平は夏に着用することが一般的なため、通気性の良い生地となっています。
男性や子どもの夏の着物として、夏祭りや室内着などで着用されることが多いです。
作務衣を選ぶうえで、「袖」と「生地」を意識するとよいでしょう。
作務衣には、袖の長さが裄丈程度のものもあれば、袖をまくるほどの長さのものもあります。 着こなしや着用季節に応じて、適切な袖の長さを判断しましょう。
作務衣に使用される生地はポリエステル・綿・麻が一般的です。
着心地の良さや風合いを求める人は綿・麻などの天然繊維がおすすめですが、何度も繰り返し洗濯して使う人は、ポリエステルが含まれていると長持ちしやすいです。
飲食店の制服として着こなす場合は、頭には和帽子やバンダナ、腰にエプロンを巻くと清潔感が出て全体が引き締まります。
屋外で着用する場合は、雪駄を履くと和装らしさを引き出すことができるのでおすすめです。
なお、作務衣は胸元からインナーが見えてしまうため、色の組み合わせが不自然にならないように注意しましょう。
作務衣は僧侶の労務意外にも、
飲食店 旅館の仲居さん 陶芸 整体師などのシーンで着用されています。
お店やサービスの雰囲気が和装と相性が良い場合、作務衣を制服として取り入れるケースが多いです。
サイズ選びも簡単なうえに、着替えも楽なので制服に適した服装と言えます。
ポリエステル素材の「ヘリンボーン」を使用した作務衣です。 丈夫な生地なので繰り返し洗濯しても劣化しにくく、汚れやすい飲食店の制服にも適しています。
洋風テイストで珍しいデニム調の作務衣です。 カジュアルテイストなので着こなしやすく、さまざまなボトムスや靴と合わせやすいデザインとなっています。
作務衣は内紐と外紐で細かく調整できるため、体型が変化しても無理なく着用を続けられます。
寒い日は上から羽織るような着こなしもできるため、部屋着やパジャマとしても使い勝手がよくておすすめです。