シアサッカーとは夏向けの衣類によく使用される生地のことです。主に綿で織られることが多く、縦糸を強く張ったものと弱く張ったものを交互に織って作られます。
生地の特徴は凸凹した表面でサラサラした肌触りで、肌との接地面が少ないので清涼感や通気性に優れています。
元々はパジャマやカジュアルウェアによく使用されていましたが、今ではフォーマル感のあるジャケットにシアサッカーを使って、抜け感やカジュアル感のある仕上がりにするのに役立てられることも。
同じく夏の定番生地でもあるコードレーンと比較されることが多いですが、コードレーンは縦に太目の畝があり、硬い肌触りである点で異なります。
※イメージ図
【関連用語】コードレーンとは
シアサッカーの語源はペルシャ語で「透き通る」という意味を持つ『sheer』で、シアサッカーの意味は「ミルクと砂糖」に由来しています。
なぜこのような由来かと言うと、生地の肌触りがミルクのように滑らかな部分と、砂糖のようにざらざらした部分の繰り返しに喩えられていたからとされています。
シアサッカーの歴史は非常に古く、18世紀のインドでイギリス人向けに綿花で織り始めたのが起源となっています。元々はシルクで服を織ってたのですが、インドがイギリスの植民地となり、大量生産に向けて綿花を使用し始めたのが背景です。
シアサッカーは糸を縮めて織る「しぼ」が特徴的です。日本ではしじら織りと呼ばれ、浴衣や作務衣などの伝統着にもよく使用されています。
そんなシアサッカーの魅力ですが、通気性とシワ感という2つが挙げられます。
サラッとした肌触りなので清涼感があり、風通しが良くて熱気がこもりにくいので、夏場に嬉しい素材です。
作務衣は僧侶が作業時に着用することを想定して作られているので、作業時に少しでも涼しく過ごそうとしていたことが分かりますね。
シアサッカーの表面は交互に凹凸状に波打っています。立体感のある表面なのでストライプやボーダー柄と非常に相性がいいです。
特有のシワ感があるので洗濯してもシワが目立ちにくく、他の衣類には出せない独特なデザインが楽しめます。
シアサッカーは夏によく見かけることの多い素材です。薄手なので季節は限られますが、用途は幅広い生地と言えます。
最近だとカジュアル用のジャケットに使用されることが多いです。シワ感があるのでカチッとしすぎない上に、通気性が高いので重ね着しても蒸れにくいという魅力があります。
夏場にフォーマルすぎず、ラフすぎない服装が良い場合などに重宝します。
シアサッカーはパジャマにもよく使用されており、薄手で軽いので寝汗をかいても不快になりにくいです。
寝返りをうちやすいストレッチ感もあり、窮屈さがないので寝巻きとしても優秀です。
最近では通気性の高さからマスクに使用されることも。夏場は熱中症のリスクもあるので、通気性の高いシアサッカー素材のマスクで快適に装着するのがおすすめです。
また、洗濯して使いまわせるタイプのマスクが多いので、使い捨てマスクよりもコストを抑えることができます。
シアサッカー素材は機能性が高くて使いやすいですが、カジュアルよりのデザインも増えていってるので、これから注目していきたいですね。
ジャケットやシャツもシアサッカー素材を使用している商品が増えているので、セットアップなどのおしゃれな着こなし方をする人も増えています。