制菌加工とは、衣類やシーツ、医療関係者の白衣やマスクなどに用いられる、繊維に付着した菌の繁殖を抑え、製品に付いてしまった皮膚常在菌や有害細菌の増殖を抑え、製品の衛生面を高く維持するために行われる加工です。
よく似た言葉で、抗菌加工という加工技術もありますが、両者にははっきりと違いがあります。具体的には以下の通りです。
制菌加工:繊維に付着した菌の繁殖を抑え、体に有害な菌の増殖を抑える目的で使われる 抗菌加工:ニオイの原因となる黄色ブドウ球菌の繁殖を抑え、防臭目的で使われる
抗菌はあくまでもニオイの菌を抑えるための加工であるのに対し、制菌は有害な菌の増殖を抑えるという大きな効果が期待できるものです。医療関係の衣類にも使われることから、抗菌加工よりも高度であることが分かります。
制菌加工を施した衣類とそうでない衣類とでは、有害な菌の繁殖具合に大きな差が生じます。実際に細菌数の推移を調査した実験のデータを見てみると、制菌加工の効果が一目瞭然です。
<黄色葡萄球菌> 未加工布:23000(菌の散布時)→1500万(18時間後) 制菌加工布:23000(菌の散布時)→200(18時間後)
引用元:フクセン株式会社の調査データ
制菌加工は黄色葡萄球菌だけでなく、肺炎カン菌や大腸菌などにも有効で、どれも18時間後には未加工布と比較すると大きく数を減少させています。
つまり、制菌加工を施していない場合は時間経過とともに細菌数が急増するのに対し、制菌加工は急激に数を減らす効果があるということです。
制菌加工や抗菌防臭加工が施された製品は、”SEKマーク”が付けられています。このマークには色々な種類のものが存在し、マークを見ればどういった加工が施されているのかが識別できます。
大きく3つの種類に分かれていて、青・橙・赤の3色のマークで分かれています。
制菌加工は幅広い用途で用いられていますが、特に効果を発揮するのは以下のような場面です。
運動時のスポーツウェアは大量の汗を吸収するので、ニオイの原因菌が大量に繁殖してしまいます。タオルも同様で、季節問わず水分を吸収するので雑菌が繁殖しやすく、抗菌・制菌加工が必須です。
制菌加工なら雑菌の繁殖を抑制しつつ、菌数自体を減らすことが可能です。
病院の布団やシーツ、枕カバーなどの寝具は制菌加工が施されており、寝具は特に高い効果が期待できます。
例えば、シーツや布団は寝汗をかくため蒸れやすくなり、雑菌が繁殖するには絶好の環境となります。ニオイ菌や呼吸器への悪影響を及ぼす肺炎カン菌などの繁殖リスクがあり、睡眠の質を下げるどころか健康を害する恐れもあるんですね。
寝具のニオイ対策だけであれば抗菌加工で十分ですが、防ダニ対策や肺炎カン菌による肺炎や呼吸器感染症といった病気対策であれば制菌加工された寝具を使いましょう。
抗菌加工と同様に、ニオイの原因菌は制菌加工でも抑制することが可能です。蒸れやすい靴下やビショビショに濡れるバスマットなんかも湿気が多くて雑菌が繁殖しやすいため、ニオイが臭くなりやすいです。
抗菌加工は完全に細菌を抑制してくれるわけではなく、未加工と比較して急激な繁殖を抑える程度の効果です。ニオイを抑えるのには効果的ですが、こまめに洗濯したり、買い替えたりといったメンテナンスが欠かせません。しかし制菌加工なら細菌数を減らしてくれるので、長く使い続けることが可能です。
衛生管理が欠かせない医療関係者の身につける衣類は、必ず制菌加工が施されています。白衣やマスク、帽子などは高い抗菌性が必要です。
肺炎かん菌や大腸菌、緑膿菌、MRSA(メチシリン耐性黄色ぶどう球菌)といった菌を抑制するのに役立てられており、清潔志向の高まりを受けて、一般衣類にも同様のレベルの制菌加工が施された商品が生まれていった、という経緯があります。
他にも、風邪を引いたときに着用するマスクにも制菌加工が施されていて、感染を防ぐのにも役立てられているんです。
こちらのナースジャケットは、SEK制菌(赤)認証商品なので細菌を抑制する高い抗菌性が備わっています。
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