袢纏(以下、半纏と表記)とは和服の一種で、労務用と防寒用の半纏が存在します。半天とも表記され、着丈や襟、袖が少し異なりますが、羽織に似た和服となっています。
印半纏という屋号や家紋を染め抜いた職人用の仕事着のことを指すことが多いです。
半纏の由来は以下の通りとなっています。
江戸時代、とくに18世紀頃から庶民の間で着用されるようになった。主に職人や店員など都市部の肉体労働者の作業着として戦後まで広く使用され、労働者階級を示す「半纏着(の者)」という語があった。種類については袖の形による広袖袢纏、角袖袢纏、筒袖袢纏、デザインの面では定紋や屋号などを染めつけた印袢纏などがある。
出典:Wikipedia
江戸時代に上流階級の身分の人だけが法被の着用を認められていたため、法令を犯さないように庶民向けに作られたのが半纏とされています。職人や労働者階級の人に着用され続け、今でもその伝統は鳶職や大工などの仕事着にも残っているんですね。
半纏は防寒着として着用することが多いです。受験生が半纏を着て勉強に勤しむイメージにも使われるくらい、高い防寒性能が期待できる衣類です。サッと脱ぎ着できるので、室内着としても活躍します。
印半纏は鳶職、左官屋、大工、植木屋などの職人の方が着用しているところが多く、お店の屋号や記号を大きく染め抜いて使われます。
半纏には「長半纏」と「腰切り半纏」という種類があります。
長半纏は身丈の長い半纏で、ひざ下までの長さとなっています。
それに対し、腰切り半纏は腰のあたりまでの長さで、職人が着用するような、一般的にイメージされる半纏になります。
流れとしては、江戸時代の後期に腰切り半纏の派生として長半纏が生まれ、大工の棟梁や町火消しなどの一部の職人に着用されたという経緯があります。
ここからは半纏以外の似ている羽織について紹介します。似たような種類がいくつかあるので、簡単に特徴などをまとめてみます。
法被は半纏が生まれるきっかけとなった元の衣類です。元々は江戸時代に武家が着用していた正装だったのですが、身分制度を守るために派生して低コストで作れるようにしたのが半纏となりました。
今では祭りなどのイベントで欠かせない衣装ですが、かつては高い身分の人が家紋を染め抜いて着用する格式高いものだったんですね。
どてらは半纏よりもずっと丈の長い着物で、生地の中に綿が入っているので厚みがあるのが特徴です。袖が広く、主に室内着や湯上がりの防寒着として着用されます。
地域によって呼称が異なり、関西は丹前、関東は褞袍(どてら)と呼びます。最近は綿が入った半纏をどてらと呼ぶ場合もあります。
どてらや半纏と混同されがちなのがちゃんちゃんこです。違いは袖の有無で、袖がないものはちゃんちゃんこになります。
よく動き回る子どものために、袖がないちゃんちゃんこを防寒着として着させることが多いです。また、還暦には赤いちゃんちゃんこを贈る習わしがありますね。還暦は生まれ直すという意味合いもあるため、赤ちゃんに着せる赤いちゃんちゃんこ(赤は魔除けの効果がある)を贈ります。
半纏にも柄や生地などで色々な種類が存在します。その中でも厳選しておすすめの商品を紹介していきます。
太泉晒染工業の市松袢天です。市松とは市松模様のことで、いわゆるチェック柄のことであり、無地の半纏よりもデザイン性があって華やかに。和柄の定番とも言える柄ですね。
祭りではなく個人での利用であれば、無地で落ち着いたデザインの半纏が使いやすいですね。綿100%の生地なので着心地が気持ちいいのでおすすめです。