トリコットとは編物とされる生地の一種の中で、経編に分類される織り方のことです。糸をループさせるように編むことで伸縮性など様々な特徴を持った生地に仕上がります。現在では高速生産が可能となり、日常生活の様々なシーンで活用されています。「径編み」とも呼ばれています。
トリコットはフランス語のトリコ(編み物)を由来としていますが、発明されたのは1775年のイギリスです。日本では1899年に初めてトリコット折機が輸入され、その後日本でもトリコット折機が開発されます。現在はドイツ製のメーカーが主流となっています。
編み物全般がそうであるように、伸縮性に優れている点がもっとも皆さんが気付く特徴です。そのため様々な衣服に利用されていますが、特に体にフィットするような製品には有効です。ファッション性の高いタイトめの衣服であったり、様々な動きにも対応する必要のあるスポーツウェアでも高い能力を発揮します。
また風合いも柔らかく、着心地が良いのも支持されている理由の一つです。
洗濯による型くずれは衣類において最大の敵といっても過言ではないでしょう。トリコット製品はその一見特殊に見える編み方の恩恵として形状安定に優れた製品へとなります。
ニット製品全般ではありますが、シワや折り目なども付きにくく丈夫という特徴も兼ね備えています。
糸をループ状に編み込むため、通気性にも優れています。スポーツウェアとして利用する際は体から熱を発しますので、多孔性(細かい穴が無数に空いていること)が役に立ちます。
そもそも生地製品は「織物」と「編物」に分類されます。
そのうち後者の「編物」は、横方向に編み込む「横編」と縦方向に編み込む「経編」に分けられます。どちらも糸をループ状に編み込みますが、トリコットはこの「経編」に分類される編み方の一つを指します。
トリコットは、「デンビー編み」「コード編み」「アトラス編み」など様々な編み方が存在し、密度や糸使いなどを変えることにより様々な性能を持たせることができるようになります。
多孔性はありますが、複雑に編み込まれているため丈夫に仕上がるという仕組みです。
世の中のほとんどのトリコット製品は基本的にハーフトリコットで作られています。ハーフトリコットは織り機の機能の一つである筬(おさ)と呼ばれる折り目を整えるパーツを2つで編み込んだ生地のことを指します。
対してシングルトリコットは筬(おさ)を1つにして編み込みます。シングルトリコットは生地が薄く仕上がり、生地自体の丈夫さもないので、利用されるシーンはかなり限定的となります。
トリコット製品は基本的に2wayトリコットである場合が多いです。2wayトリコットとは伸縮性を指す用語のことで、縦方向にも横方向にも伸縮性があり、引っ張ると伸びる性質のことを2way(縦も横も)と呼んでいます。
基本的には先にも説明した通り、日常生活の様々なシーンで活用されています。
最もよく利用されるのはやはり衣類です。大量生産がしやすいので比較的安価になります。
肌に直接的に接触する下着などのインナーウェアでは、伸縮性も肌触りの良さもトリコットの特徴を最大限に引き出すことが出来ます。女性用の下着だけではなく、男性製品にももちろん利用されています。
スポーツウェアにも多く利用されており、ランニングに最適な衣服だけでなく、水泳や自転車競技、アウトドア用のウェアにも採用されます。
皆さんが気づきにくいところでも利用されています。
意外なシーンとしてはシューズが挙げられます。その他に自動車の内装にも利用されたり、医療道具(包帯などのような)、建築現場でも利用されており、ありとあらゆるシーンで活用されていることがわかっていただけるのではないでしょうか。
下記に実際の商品をいくつかご紹介いたします。
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