トロピカルとは、細番手の糸を平織りにしてクリアな表情を持つ夏用素材のことになります。もともとは、薄手で軽くしゃり味(ドライ感)のある梳毛織物のことです。経(タテ)・緯(ヨコ)に梳毛糸が使用され、平織りに織りクリアカット仕上げが施されています。夏だけではなく春の衣料にも適しています。
最近は毛/ポリエステル混紡やポリエステル100%などでも使われ、ストライプやチェックのデザインを無地を中心に利用の幅が広がっています。
トロピカルというと南国をイメージするように、熱帯地方のという意味があります。このトロピカルという素材が、イギリスで製造されたのち、南洋のマレーシアなどへ向けて輸出されたことに由来しています。
用途はサマー・スーツドレスなどです。タフタやポンジーオーガンジーなどの名前と同じように、元来は他の素材で作られていた布生地がポリエステルなどで似たものが作られていましたが、そちらの布生地のほうが広く流通するようになった織物(布生地)の一です。