ショッピングをしていると「ツイルジャケット」「ツイルコート」「ツイルカーテン」などなど「ツイル」という言葉をよく目にするのではないでしょうか。
なんとなく「ツイル」と聞くと、柔らかそうで品の良さそうなイメージを持つ方も多いと思いますが、それは正解です。ですがどうしてそのような性質を持つのかについて解説していきます。
ツイルとは、布を作る生地(糸)のことではありません。実は織り方のことを指します。日本では昔から「綾織り」と呼んでいます。
ただ少しやっかいなのが、ただの「綾織り」ではないということ。綾織りにはいくつかの方法があって、その中でも「四つ綾」と呼ばれる編み方をツイルと言います。
先程も説明しましたがツイルは「四つ綾」で織ります。
図解にすると下図のようなイメージです。
1つの経糸を3つ飛ばしで織っているのがわかるでしょうか。これが四つ綾です。
そして次に実際のツイル生地をアップで見てみましょう。
斜めに線が見えますよね。これは先程の四つ綾を見てもらえればわかりますが、隆起する場所が連続して斜めに続いていきますので、実際に生地としてできあがるとこのように見えるのです。
冒頭で「柔らかそう」「上品そう」と挙げましたが、ツイルの特徴はまさにその通り。
まず「柔らかさ」についてですが、その秘訣は生地の織り方にあります。作り方で説明した通り、織る際に縦横がっちりと編み込むわけではありませんので、柔軟性が確保されます。
ただしその分、耐久性ではやや劣ってしまいます。特に摩擦に弱い傾向があります。
次に「上品さ」についてです。
こちらも織り方に関係した特徴で、経糸が露出する部分が多くなるため糸が本来持つ光沢が出やすい傾向にあります。糸の本来が持つ、という意味では、手触りもよくなります。
他にもシワになりにくいという特徴もあります。
ですからシワができてしまっては困るようなジャケットやコート、カーテンなどによく利用されているんですね。もちろん作業着としてもよく利用されていますよ。
あなたの持っているツイル生地のお手入れですが、基本的には扱いやすい生地ですから洗濯をしてもアイロンを掛けても問題ありません。もちろん乾燥機も大丈夫。
ただし、使用している糸の種類によってはNGとなってしまうこともありますので、念の為ラベルに記載してある品質表記を確認するようにしてください。
実際に洗濯機で洗う場合には、先程挙げた「摩擦に弱い」という特徴がありますので、一緒に入れた他の衣服との摩擦をなるべく避けるために、洗濯ネット(目の細かいもののほうが良いです)に入れてから洗うようにしましょう。