洋服の生地における目付とは、織物や編地の単位当たりの重量を意味します。セーターやタオルなどの製品では、この目付が価格を決める重要な指標となることが多いです。
一般的に軽くて薄くて柔らかい生地が理想的とされるため、強度を保ちつつも目付を軽くする(=薄い・軽い・柔らかい)ように作られます。つまり、目付の軽い生地ほど一般的に高価な生地ということです。
「この生地の目付は軽いのに丈夫だから高級だ」といったように、生地の品質を素早く見抜くことのできる便利な数字でもあるんですね。
先ほども紹介したように、目付を軽くすることが生地のクオリティを測る指標となるのですが、季節によっては涼しさや暖かさを求める必要があります。
秋冬は単に薄くて軽い生地だと肌寒いですよね。特にスーツを選ぶ際には季節によって目安となる目付が違ってくるので注意しましょう。 目付は一般的に1㎡あたりの重さ(g)を意味しており、「230g/㎡」といったように表示されます。(ただし布の長さ1m分の重さを指す場合もある)
例えば、オールシーズンのスーツの目付は230〜260gが一般的な目安です(※メーカーによって異なる)。季節ごとに目付の目安を分けると以下の通りです。
<150cm×1mあたりの目付の目安(ウールのスーツの場合)> 春:230g 夏:210g 秋:260g 冬:370g
このように、暑い季節は目付をなるべく軽くして、涼しさを重視します。逆に寒い季節になると、暖かさ重視で目付を少し重くして生地に厚みを持たせます。
目付が小さいということは、通気性も良くて涼しいため、夏場に着用する衣服に適しています。
重量も軽くて柔らかい肌触りなので、快適で動きやすいのも特徴的です。イタリア製のスーツは目付が260〜300gが相場なので、比較的軽めの生地が好まれる風潮となっています。
季節や素材によって目付の量を調節することで、快適な着心地を維持できるような仕組みとなっています。
目付が大きいということは、生地が厚くて全体の重量も重くなってきます。例えば、カシミアのコートであれば、目付は400〜600g程度となっており、コートはこれくらいの目付があることで防寒着としての機能を発揮します。
さらにウールのコートであれば、目付が500〜800gといった重みのある製品もあり、英国ではこのような重さの生地が普及しています。
また一つの基準として、糸の細さを見ると生地の質が分かります。細い糸にも関わらず目付の量が多いと、より多くの糸で編みこまれた生地なので、見た目と肌触りに高級感が生まれます。
スーツ選びでは目付のチェックが重要です。
サイズにもよりますが、一着分を3.2mとして計算するのが一般的です。例えば、230gの目付であれば、約736gのスーツということですね(ボタンなどの付属品もあるのであくまで目安)。
つまり、目付を見れば全体の生地の軽さ・重さがパッとイメージできます。それ以外にも、糸番手という指標も参考にしたいです。
糸番手とは、糸の太さを表す単位です。綿番手や毛番手など、素材によって様々な種類がありますが、目付と一緒に確認したい項目です。
具体的には、「SUPER〇〇」と表記され、数字が大きくなればなるほど糸が細くなります。一般的に着用されているスーツは、「SUPER120」までとされていて、それ以上は耐久性に問題が発生します。
細い糸を使った生地は密度が低くなるので、どうしても耐久性が低くなって粗悪な生地になってしまいます。 ただし、先ほども紹介したように、糸が細いのに目付が大きい記事は編み込みがしっかりしているので、良質な肌触りで高級感が漂います。このように目付は糸番手と調整してバランスよく作られると優れた生地だと分かりますね。