楊柳(ようりゅう)は綿織り物の一種で、ヨコ糸に「強撚糸(きょうねんし)」を使って布面に「しぼ」を出した織物を「縮ちぢみ」と言い、その中でもタテ方向に「しぼ」を出したものを楊柳と呼びます。 楊柳は柳の葉を重ねたように「しぼ」が見えるので楊柳と呼ばれています。京ちぢみ、綿クレープ、縮みと表現する人もいます。
しぼは均一の間隔の生地もあれば、「ナチュラル楊柳」といって不均等の抑揚となっているタイプの生地もあります。
元は織り物として活用されていましたが、最近では洋服などにも活用されるようになってきています。
綿や綿麻で織らることが多く、基本的に丈夫です。シワについては元々シワのような生地ですし弾力もありますので、折り曲げたりしてもシワになりにくいという特徴があります。
生地に凸凹がありますので、肌に密着するということがなく、サラッとした着心地となります。見た目も細かい縦ストライプが清涼感のある印象となり、夏物の衣服に活用されやすいです。
麻の生地とは違いますが、似たような清涼感というとイメージが付きやすいかもしれません。
汗などの水分を吸収しやすい特徴があります。さらに凸凹により空気を通しやすい性質もあって、速乾性にも優れます。この点も夏服に優れているということに繋がりますね。
主に夏用で綿・麻・ポリエステルなどで作られることが多いです。
清涼感のある肌心地が必要なシーンの衣料として作られることが多く、肌着・パジャマ・ベットのシーツに活用されます。
また見た目にも清涼感があって、夏っぽい印象を与えることができる点を考慮してジャケット、シャツ、ブラウスにもよく活用されています。
楊柳は安土桃山時代に明の織工によって日本に伝えられ、高温多湿の日本の風土に合う生地として江戸時代には日本各地で普及しました。
特に京都での生産が盛んで、様々な織屋がより優れた楊柳の織物を生産していました。この事もあって、楊柳のことを「京ちぢみ」と表現することがいるんですね。